頼りになる『記者ハンドブック』
- 2018/7/19
- ライティング
読みやすい文章を書くポイントは、難しい漢字を使わず、常用漢字や平易な表現を使うこと。
ですが、そもそも「何が常用漢字が分からない」っていう問題点があります。
確かにライターでも漢字や表現に迷うことがあります。
そんなとき、手に取るのが『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(共同通信社)。
漢字や数字、外国地名の書き方、計量単位などなど、あらゆる用語が網羅されています。
新聞用字用語となっていますが、役立つ情報や文章の基本がぎっしり記載されているので、新聞記者に限らず多くのライターが使用しています。
時代に合わせて変化する言葉づかいや単語に合わせて改訂し、現在は第13版。
アマゾンなどで普通に売っているので、記者じゃなくても誰でも入手できます。
この本のすごいところは「用語集」と言いながら、ライティングの極意がつまっていること。
そっけない箇条書きですが、厳しい編集長のような言葉が並んでいます。
たとえば、「文章について」の一項には
「曖昧な表現、分析中断、思考放棄の表現(「ということで」「いずれにしても」など)を避け、具体的で生き生きとした表現を工夫する」
とあります。
「ということで」や「いずれにしても」って、分析を中断して思考放棄した言葉なんですね。
なかなかの言われようですが、確かに深い意味もなくまとめたいときに便利に使ってしまいそうな言葉です。
ほかにも、「文語・漢語調は避ける」として「やむなきに至った→やむを得なくなった」「協議を行った→協議した」「若干名の→数人の」などの言い換えも挙げられています。
これは男性に多い表現かもしれません。
いずれにしても(安易な表現)、文章を書いてお金を稼ぎたいと思う人にはぜひ手元に用意してもらいたい一冊です。